たくき よしみつ の 鐸木能光のデジカメ・ガバサク談義 デジタルストレス王

ライブビューができて超望遠が可能なデジタル一眼レフカメラ?

ついに念願叶ったかと思ったが……

以前から、デジタル一眼で可変モニター&ライブビューができれば……と言い続けてきましたが、ついにパナソニックとオリンパスから出ましたね。
パナソニックはDMC-L10、オリンパスはE-3
どちらもフォーサーズ機なので、レンズの選択がある程度限られるのが気になります。
また、L10はボディ本体に手ぶれ補正機能がついていないので、レンズ側に手ぶれ補正がついていることが必須となります。
どちらも喉から手が出るほどほしいのですが、私には買えません。高すぎて……(泣)。
L10 まず、L10から見ていきましょう。
ボディの実売価格は7万5000円くらい(2008年3月時点)で、これなら私にもぎりぎり購入可能範囲です。
しかし、レンズキット(実売10万5000円くらい)についているLEICA D VARIO-ELMAR 14-50mm/F3.8-F5.6 というレンズは、望遠は100mm(35mmフィルム換算)まで。広角側のF値もF3.8と決して明るいわけではなく、これ一本ですべて撮るとすると、不満が出てくる場面が多々あるでしょう。
となると、ほしいのはLEICA D VARIO-ELMAR 14-150mm/F3.5-5.6というレンズ。手ぶれ補正機能も内蔵されており、広角28-望遠300mmまでカバーするという魅力的なレンズ。これしかないと思います。
しかし、このレンズ、実売価格が12万円くらいで、L10本体と合わせて購入すると20万円近くしてしまうのです。
この20万円を高いと思うか、それとも、これだけでほとんどの場面で面白そうな写真が撮れるのなら安いものだととらえるのかは、みなさんの価値観と懐具合次第です。私は、財力さえあればぜひほしい組み合わせです。メインの機材になる可能性も大きいと思っています。

E-3背面 次にオリンパスのE-3です。これも可変モニターでライブビューができるという、私にとっては理想のカメラです。しかも、カメラ本体に手ぶれ補正機能が内蔵されています。
しかし、こちらは本体がすでに高い。実売価格15万円以上(2008年3月時点)。
組み合わせるレンズは手ぶれ補正は内蔵している必要はないのですが、オリンパス純正レンズ群の中から選ぶとすると、まずは、36-360mm相当(35mm判換算) のZUIKO DIGITAL ED 18-180mm F3.5-6.3あたりでしょうか。
広角側がもの足りませんが、まあ「これ1本」でほとんどの場面で撮れるレンズだと思います。このレンズの実売価格が約4万円。ボディ本体と足すとやはり20万円弱です。
L10とE-3でどちらを選ぶか?
今後、レンズが増えてくることを考えると、カメラ本体に手ぶれ防止機能がついているE-3のほうに魅力を感じます。ただし、使い込んでみないと、操作性など、重要な部分は分からないので、これはあくまでも荒っぽい「予感」のようなものだとご承知おきください。時間の許す限り、店頭で実際に触ってみて悩んでください。

S100FSはデジタル一眼のライバルたりえるか?

S100FS で、ここにもう一台、非常にユニークなカメラを「ライバル」として割り込ませてみます。
富士フイルムが出したFinePix S100FSという、超弩級のレンズ一体型高級機です。
35mmフィルム換算で28-400mmというとんでもないズーム比のレンズを持ち、しかも明るさはF2.8[広角]〜F5.3[望遠]。この明るさを持ったデジタル一眼レフカメラ用のレンズは見あたりません。レンズ一体型だからこそできた設計でしょう。
CCDは2/3型で、APS-Cサイズのデジタル一眼レフカメラに比べると約16%、フォーサーズに比べても約26%の面積しかありません。しかしレンズ一体型デジカメでは、この2/3型CCDは事実上最大のサイズで、しばらくの間はこのサイズのレンズ一体型デジカメは市場から消えていました。もちろん、メーカーのコストダウン政策によるものです。
フジはCCD設計にも独自のハニカム構造など、工夫を凝らしていることで知られています。映像エンジンも数年前のレベルよりはるかに上がっているでしょう。レンズ一体型ですからライブビューはあたりまえ。しかも液晶モニターは垂直方向だけですがチルトしますので、頭上から見下ろすのは無理でも、下から仰角で撮るときは非常に有利です。
これは下手な一眼レフより「使える」カメラなのではないか、という期待を抱かせました。
なによりも、こうしたカメラを今の時代、世に送り出したフジには拍手を送りたいですね。
一方で、画素数が1110万画素というのはやりすぎではないか、という懸念があります。800万画素のA200が、色調再現、ダイナミックレンジの点でAPS-CサイズCCDを持つ630万画素のK100Dに比べて圧倒的に負けていることは、すでにリポートしました。S100FSは、さらに300万画素も多く詰め込んでいるわけで、いくらフジ自慢のハニカムなんとかCCDであろうと、映像エンジンでうまく処理しようと、物理的な限界があるはずです。
それと連写性能、操作性はどうなのか……。
S100FSを借りることができたので、K100D+タムロン18-250mm/F3.5-6.3との比較をしてみました。

次のページで実際の撮影サンプルをご紹介します。

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