オリプレとMASACO



シャンプーに使える最高の石鹸とは?


 国産の石鹸や石鹸シャンプーに関しては、ほとんどの製品を試してみました。
 草の根通信の中でも述べたように、普通に洗い物をしたり身体を洗ったりするのは、無添加の固形石鹸で十分です。ミヨシ、カネヨ、玉の肌石鹸、太陽油脂、シャボン玉せっけんなど、いろいろなメーカーから無添加の固形石鹸が出ています。「台所用」として売られているものも「洗濯用」として売られているものも同じです(単に法律で用途を明示させているだけで、これで洗髪してもいっこうにかまいません)。100円ショップでも売っていますし、普通に使うのはこれに限ります。

 問題はシャンプーで、これはいろいろな髪質の人がいて、一概に「これがいい!」とは言えません。
 大まかに説明すると、普通の無添加石鹸では髪の油脂分が落ちすぎてきしまうようです。また、表面がアルカリ性になるので、洗髪直後はキューティクルが「開き」、櫛通りが悪くなります。自然乾燥させてしまえばそれほど問題ないのですが、やはり女性はそのへんをかなり気にします。櫛通りが悪くなること=髪が傷む と錯覚するようです。
 その点を解決しようと、各社がいろいろなものを出していますが、今までのところ、私が最高点をつけるのは、松山油脂合名会社の「アミノ酸せっけんシャンプー」。これは傑作です。
 しかし、「シャンプーとしての石鹸なら、オリプレに勝るものなし」という情報を得て、さっそく試してみました。ついでに、インドネシアに渡った日本人女性が作っているココナツオイル原料の石鹸「MASACO」というのも試してみました。


オリプレ

オリプレ  オリプレはトルコ製の石鹸で、オリーブから絞られた「一番搾り」油だけを使用し、さらに月桂樹オイルを添加。古来からの鹸化法で作られ、低温で半年以上の熟成期間をかけているとか。
 これはシャンプーとしては別格の使い心地です。リンスなどしなくてもしっとりし、乾いた後はサラサラ感が長持ち。多分、添加されている月桂樹オイルの効果が大きいのだと思います。
 牛脂などの動物性油脂を使っていないため、溶けて形が崩れやすいという欠点があります。また、香料なども一切使っていないので、独特の油臭さもありますが、これらはこの石鹸の「個性」であり、使用上はなんの問題もありません。すすいだ後にベトベト感やにおいが残るということもありません。
 ただし、石鹸入れは特に水切れのよいものを選び、他の石鹸とは別にしておくことを勧めます。ほんと、すぐに溶けてしまいます。
 値段は170gで900円。安いです。洗濯用固形石鹸くらいの大きさがありますから、1個を使い切るには相当時間がかかります。あらゆるシャンプー、石鹸シャンプーより安価かもしれません。
 日本では有限会社プロモ・ジャパン(昭島市)というところが輸入販売元になっているのですが、この会社、なぜかNTTの企業検索では出てこず、電話連絡不能です。
 販売している店も少ないので「幻の石鹸」などとも呼ばれていますが、うちでは「ナチュラルハウス」の通販部からまとめ買いしました。
 〒107-0061 港区北青山3-6-18 株式会社ナチュラルハウスダイレクト販売課
 TEL:03-5467-9888 FAX:03-5467-9891  
(ここのWEBサイトはほとんど役立たずで、もう少しなんとか整備してほしいもんです。Enet Corp.にやらせてくれればいいサイトを作るのになあ。)
 ◇追加情報:その後、シリア製の「アレッポ」という類似品を入手。見た目も説明もオリプレそっくりでしたが、似て非なるもので、熟成が足りないのか、泡立ちも悪く、臭いも粗悪な感じです。同じ900円ですが、これなら100円で売っている普通の無添加石鹸のほうがマシかなという印象を受けました。中が緑色で、周りの黄色っぽい部分が終わると途端に泡立ちも悪くなります。
 (2001年5月追記:アレッポは種類がいくつもあり、品質にもかなり違いがあるようです。その後、他の「アレッポ」という商品名の石鹸を試したところ、それほどひどくはありませんでした。場合によってはシャンプーとしても十分使えます)
 テレビショッピングで、柱状になっているトルコ製石鹸を1万円で売っているのも見ました。これも試してみたいところ。
 (2001年5月追記:これとは別の製品で、フランス製のマルセル石鹸というのを試してみました。なかなかよいです。全体が淡いグリーンで、オリプレよりは熟成が劣るけれど、アレッポよりは品質が上……という印象でした。これはたまに輸入雑貨などを扱っている店で見かけます)
 さらには、先日旅行中に立ち寄った福島県伊達郡飯野町の「UFO物産館」(千貫森のUFOふれあい館の向かいにある土産物屋)で売っていた「UFO手作り石鹸」なるものも、使い心地がオリプレそっくりでした。これは特筆ものなので、別ページに報告があります。こちらはオリプレと同じくらいの大きさで200円。安い! まとめ買いしてしまおうかな。
 (2001年5月追記:この手の廃油を利用した石鹸は、結構あちこちの地方物産館で見かけるようになりました。概ねいいのですが、やはり品質にばらつきがあるため、シャンプーより、台所での利用が向いていると思い直しました)  


MASACO

MASACO MASACOはバリ島に暮らす日本人女性が手作りで作っている石鹸で、詳しくは販売をしている「エスノ」のサイトに紹介されています。
 ココナツオイルが原料で、無香料のものの他、天然ハーブで香りづけしたものもあります。
 現地のバンブーペイパーでていねいに包装され、丁重なメッセージと共に送られてくる石鹸は異国情緒もあり、贈答品などにもよいかもしれません。インターネットのオンライン通販で簡単に注文でき、支払いもクレジットカード決済でOKというのも便利。
 肝心の石鹸は、きめ細かな泡立ちがとても気持ちのよい無添加石鹸です。ただ、オリプレのような強烈な個性は感じられません。癖のない非常に上質の石鹸ですが、それだけに、普通に使うにはもったいない気もします。
 オリプレは175gで900円ですが、MASACOは90g3個入りが2000円(+送料)。まとめ買いすると割り引きしてもらえる制度もありますが、やはりかなり高価です。過剰包装(?)と送料の高さが価格設定にも響いているのかなという気がします。現地から直接郵送されてくるのですが、日本向けには国内の配送基地を設けたほうが安くつくのではないかと思ったりもしました。(人件費でかえって高くなるのか?)
 洗顔や入浴用なら、100円ショップで売っている無添加石鹸で十分だし、ましてやこの高級な石鹸で食器を洗おうとは思いません。シャンプーとして使った場合は、私の感触では、松山油脂のアミノ酸せっけんシャンプーといい勝負、あるいはアミノ酸せっけんシャンプーのほうが若干使いやすいかなという印象でした。
 ちなみにMASACOにはシャンプーバーという洗髪用の固形石鹸も用意されていますが、値段はさらに500円高い(3個入り2500円)ので、割高感があります。(2001年5月追記:ただ、トルコ地震以降、オリプレが入手困難になったこともあり、今もきちんと供給し続けているこのMASACOのシャンプーバーはぜひ一度試してみたい製品です)
 シャボン玉せっけんにも1個900円で洗髪用の葉緑素入り固形石鹸という商品がありますが、あれもなぜ「葉緑素」が必要なのか不明だし、使用感は普通の無添加石鹸と変わりませんでした。もっとも、世の中にはバーナルのようなとんでもない値段(ほとんどは広告費)の石鹸もありますから、この程度で高いだの安いだの言っていてもしょうがないのかもしれませんが。
 MASACOは使用感がさっぱりしていて気持ちがよいので、入浴用や洗顔用として使うと贅沢感が味わえます。特に泡立ちのきめ細かさは素晴らしく、人によってはやみつきになるかもしれません。無添加はいいけれど、香りくらいはしたほうが気分がよいという人にも、いくつかの香りを用意してあるので、楽しめるでしょう。
 化粧石鹸として、極めて上質な石鹸であることは間違いありません。
  
     
oliple and masaco←オリプレ(左)とMASACO(右)を並べたところ。これだけ大きさが違う。
 オリプレは170gで1個900円。MASACOは90gで3個セット2000円。

  


我が家の場合

 オリプレの発見により、我が家の石鹸生活は次のように変わりました。

 ●洗濯:粉石鹸。メーカーはミヨシや太陽油脂。炭酸塩入りでないものを使いたいところですが、高価なので、炭酸塩入りの安いものを使っています。
 ●洗顔・入浴:オリプレ、MASACO、または普通の無添加固形石鹸。
 ●食器洗い:普通の無添加固形石鹸。
 ●洗髪:オリプレ。(リンスなし)

 ☆「普通の無添加固形石鹸」というのは、台所用や洗濯用として売られている白い無香料、無着色、無保存料などの石鹸のことです。1個150円くらいです。最近は100円ショップでも売っています。商品名は「ふきんソープ」「キッチンソープ」など。
 玉の肌せっけんの「白いふきん洗い」は、ほぼ無添加ですが、同じ生産ラインで化粧石鹸なども作っているらしく、微量のエデト酸塩が混じっているという話もあります(実害はまったくないですが)。どっちみち、あのメーカーは石鹸シャンプーもどきの合成シャンプーなども作っているので、今イチ信頼していません。

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